フェレットくんと暮らす飼い主のみなさん、こんにちは。
フェレット情報局は、フェレットの生態・お世話の仕方について、専門店『フェレットリンク』のスタッフが発信するメディアです。

朝晩はまだ冷え込むものの、日中はかなり暖かくなってきました。フェレットは暑さが苦手ですから、早い時期からの高温・多湿対策が必須です。熱中症予防のポイントから、夏ならではの事故の注意点までお伝えします。

関連コラム:フェレットの温度管理はどうすべき?夏・冬でも快適な室温をキープしよう!

フェレットにとって日本の夏は辛い季節

ペットのフェレットのご先祖様はヨーロッパケナガイタチ。その名の通りヨーロッパにルーツを持ち、涼しい気候条件のもとで暮らしていますから、高温多湿な日本の夏はフェレットにとって過酷です。温度計・湿度計ー【暑さ対策だけじゃない】フェレットの春・夏で気をつけたいポイント

「暑さに弱い」はどの程度?

フェレットの適温は15〜25度で、27度を超えると健康に悪影響があると考えられています。湿度や風通しにもよりますが、27度は大半の人にとって「暑いとはいえ、まだ熱中症になるほどではない」という温度だと思います。つまり、私たちが「暑い」と感じる前からの対策が必要ですから、感覚頼りではなく温度計で室温をチェックする癖をつけましょう。

春から初夏にかけて注意したい 意外に気温が上がる日

地域によって差はありますが、最高気温が日常的に27度を上回るのは、本州の多くの場所で6月以降。東京では5月の最高気温は平均21〜24度で、27度に達する日は滅多にありません。
しかし「暑さ対策は6月からでいい」わけではないんです。2019年と2022年には5月に全国的な記録的猛暑日があり、35度を上回る地域が続出しました。
「たった1日だけの暑い日」でも、その1日で熱中症になってしまう可能性だってあります。人間も、季節外れの暑さは体が高温に慣れていないぶん、こたえるもの。そう考えると、5月には暑さ対策を始めておきたいところです。

暑さに弱い子は特に注意を

暑さに強い人・弱い人がいるように、フェレットの暑さに対する反応にも個体差があり「同じ室内で過ごしていたのに1匹だけ熱中症に」なんて話も聞きます。特に、赤ちゃんや高齢の子は体温調整機能が弱いため、より気をつけてあげてください。入道雲ー【暑さ対策だけじゃない】フェレットの春・夏で気をつけたいポイント

ジメジメ湿度は不快なだけでなく、病気の原因に

夏場は温度とともに湿度も上がります。フェレットの適切な湿度は40〜60%。
湿度が高くなると、皮膚炎の原因菌が増殖しやすくなり皮膚炎のリスクが高まります。また、湿度が高いとカビが生え、カビをエサにするダニも発生します。飼育環境を衛生的に保つためにも、湿度調節にも気を配りましょう。

【フェレットの夏の過ごし方】暑さ・湿度対策

フェレットの温度管理はどうすべき?夏・冬でも快適な室温をキープしよう!で紹介した通り

・ケージは直射日光の当たらない場所に設置
温度・湿度計をケージの近くに設置し定期的にチェック
・エアコンのある部屋で飼育し、24時間冷房を稼働
・エアコンの冷気を室内で循環させるため扇風機を併用
・ペット用のアルミプレートやクールマット、凍らせたペットボトルなどの冷却グッズを使用

などの基本対策を再度、徹底してください。

また、水を怖がらない子なら、水遊びをさせてあげる、ぬるま湯で入浴させるのもクールダウンに有効です。霧吹きで水を吹きかけ濡らしてあげるだけでも、体温上昇を防ぐ効果があるそうです。ただし、濡れたままにせず後で必ず拭いてあげてくださいね。

熱中症の一歩手前⁉️異変に気づいたらすぐに受診を

気温が高すぎるとフェレットは、体を冷やす方法を探します。いつもより水をたくさん飲む、ハーハー息を切らす、タイル張りの床やひんやりとした場所にお腹をつけたがるのは、いずれも「暑いよ」のサイン。
さらに、ぐったりと元気がなくエサを食べないのは危険な兆候です。応急処置としてすぐに体を冷やし、病院に連れて行きましょう。
葉っぱのおもちゃに興味を示すフェレットー【暑さ対策だけじゃない】フェレットの春・夏で気をつけたいポイント
なお、冷水をかける、氷水につけるなど急激に冷却すると、体温が急下降してショック状態におちいる危険があります。フェレットの体温をゆっくりと下げるには

(1)涼しい部屋に移動させてひんやりとした床の上に寝かせる
(2)常温の水で濡らしたタオルでフェレットの頭から尻尾までゆっくりと全身を拭き取る  タオルが温かくなったら別のタオルに交換する

このように、段階的に冷却してください。

暖かい季節を迎えたら意識したい・やっておくべきこと

温度・湿度を直接下げる以外にも、必要な対策があります。

水のボトルは容量を確認し、必要に応じて大きいものを

フェレットの平均的な水分摂取量は1日に約75〜100mlですが、気温が高ければ飲水量も増えます。十分な量を常に確保できるよう、ボトルは大きめが良いでしょう。
複数飼育や、小さいボトルしか手に入らない場合は、複数本を設置するのも方法です。

布製品は涼しい夏素材に

毛布やハンモックなどの布製品は、薄手の綿や麻といった通気性の良い素材のものに変えましょう。

フード・水は頻回な交換を

高温多湿の環境では食品も傷みやすくなります。食べ残しには雑菌が繁殖しカビも発生しますから、毎日のお掃除で確実に取り除きましょう。

移動の際は特に注意を

短時間でも車内への置き去りがNGなのはいうまでもありませんが、意外な盲点は、炎天下に停めていた車に乗せるときです。真夏の車内ー【暑さ対策だけじゃない】フェレットの春・夏で気をつけたいポイント
サウナ状態の車内に、すぐにはキャリーを乗せられません。かといって、車内を冷却する間に駐車場で待たせるのもフェレットにはかなりの負担。「車が冷えるまで5分だけ」のつもりでキャリーを抱えて車外で待っている間にグッタリしていた、という話も聞きます。
できるだけ屋根のある駐車場を利用する、先にエンジンをかけて車を冷やす人・車内が冷えるまで室内でフェレットに付き添う人と二人以上で行動するなど、対策をしましょう。

お出かけでは想定外の事態が起こるもの。夏場は外に出ること自体を避けるのがもっとも安全ですが、やむをえず外出する際は、冷却グッズを多めに持ちましょう。
飲み終わったペットボトルを凍らせたものをキャリーに入れる方法がお手軽ですが、複数本用意しておくと安心ですね。

蚊対策も必要

蚊に刺されたら、寄生虫疾患「フィラリア症」にかかるおそれがあります。予防薬で感染を防げるので、蚊の多い地域では暖かくなってきたらぜひ受診しましょう。

蚊取り線香の主成分として使われることの多い「ピレスロイド」は哺乳類には無害なのでフェレットのいる室内でも使用できますし、ペット用の蚊取り線香も発売されています。しかし、フィラリア症は致死率が高いので、蚊取り線香ではなく必ず予防薬で感染を防いであげてください。蚊取り線香ー【暑さ対策だけじゃない】フェレットの春・夏で気をつけたいポイント

熱中症だけじゃない!暑い季節ならではの事故に注意

元気いっぱい、好奇心旺盛なフェレットくんに事故はつきもの。普段から放牧部屋の安全対策に手を焼いている飼い主さんも多いかもしれませんが、夏ならではのアクシデントも念頭におく必要があります。

関連コラム:【室内飼育・放牧時の事故防止】フェレットと暮らす家の安全対策

つい出しっぱなしにしがちなサンダルは、ゴム製がほとんどで、フェレットの大好きなソフトな噛み心地。うっかり食べてしまわないよう、使わないときはしまっておきしましょう。

また、クローゼットやベッドの下に設置した除湿材、ケージ内に入れた冷却グッズを食べてしまう事故も起こりえます。

扇風機は、首の長いタイプのものなら飛びついて倒すおそれがありますし、背の低いサーキュレーターは巻き込まれる危険があります。水遊びも目を離したすきに溺れるかもしれませんし、換気のために窓を開けていたら、網戸を破って逃げ出すこともあるでしょう。

室内を夏仕様にしたら、危険箇所の再チェックが必要です。

温度と湿度に気配りしつつ、暑い季節も安全・快適に

フェレットの暑さ対策は「漏れなく行うこと」が非常に大切です。夏は必ずやってきますから、早い時期から始めておいて損はありません。安全対策とあわせて、早めのスタートで、快適・安全な夏を迎えましょう。


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橋爪宏幸

フェレット情報局編集長。 フェレット専門店フェレット・リンクのオーナー。 埼玉動物海洋専門学校 特別講師。 ExoticpetSaver FirstResponder/ExoticpetSaver Emergency Rescue Technician。 まだまだ分からないことが多いフェレットの世界。フェレットとの暮らしに少しでもプラスになるように、世界中からフェレットの情報を集めて発信していきます。