フェレットくんと暮らす飼い主のみなさん、こんにちは。
フェレット情報局は、フェレットの生態・お世話の仕方について、専門店『フェレットリンク』のスタッフが発信するメディアです。

今回は、フェレットくんの身の回りのグッズの「お掃除・お手入れ」についてご紹介します。
飼育環境を衛生的に保つことはお世話の基本。健康管理に大切ですし、フェレットにつきもののお悩み「ニオイ」への対策にもなります。
「ケージやトイレ、給水ボトル、フードのお皿、ハンモックはどのくらいの頻度でお手入れすべき?」「洗剤を使っても大丈夫?」「消毒はどうする?」などの疑問にお答えします。
ケージごしのフェレットー【ケージ・トイレ・ハンモック】フェレットグッズの掃除・お手入れ方法

毎日のお掃除で清潔を保ちたいポイント

掃除機をかける頻度が各家庭で異なるように、フェレットのお掃除も「必ずしもこうでなきゃだめ」というわけではありませんが、毎日お掃除したいところは以下の3つです。

①ケージ

床面にはほこりやトイレ砂、フードなどがこぼれていたりします。こちらは毎日きれいに掃除してあげてください。
ケージの底面に敷き詰めている布や寝袋などは、汚れ具合を見て交換しましょう。また、破れているなど噛んだ様子が見られる場合は、誤飲する前に早めに新しいものに交換してください。

②給水ボトル・フード皿

給水ボトルは軽く水洗いして新鮮なお水に交換してあげてください。水垢などで汚れてきた場合はブラシなどを使ってきれいに洗浄してください。

フェレットはフードも常に食べ放題スタイルですから、毎日減った分を足すようにして、常に食べられる状態を保つようにしてください。また、フードが濡れていたり湿っていたりする場合は、新鮮なものに交換してください。

③トイレ

トイレトレーに砂を入れているご家庭が多いかと思います。汚れた部分の砂を捨て、新しい砂を補充してください。
トイレトレーに付着した排泄物はペット用ウェットティッシュなどで拭き取るか、さっと水洗いしましょう。フェレットは「角の部分」で排泄する習性があるので、トレーの隅をしっかりチェックしてあげるといいと思います。
トイレの中から見上げるフェレットー【ケージ・トイレ・ハンモック】フェレットグッズの掃除・お手入れ方法

排泄に気づいたらその都度やってあげたいトイレ掃除

おしっことウンチはニオイの一番の原因ですから、トイレ掃除はマメにやってあげたいもの。さらに、トイレ砂を掘り返して遊ぶ子や、トイレの中で寝る子もいるので、排泄物が残っていると汚れが身体についてしまいます。またフェレットは綺麗好きですから、おしっこやウンチが溜まったトイレは使いたがらず、他の場所で排泄することも。

トイレはこまめに清掃してあげた方がお互いのためです。排泄に気づいたらその都度、掃除できると理想的ですが、お仕事などで日中留守にするなら朝晩の2回はキレイにしてあげましょう。

毎日のお掃除は、健康状態と安全チェックのためにも大切

毎日掃除することのメリットは、清潔の保持だけではありません。
食べ残しの量や飲水量、排泄物の状態などが確認できますから、体調変化にすぐ気づいてあげられます。

あわせて、脱走や怪我につながりそうな異変を早めに発見できるのも毎日の掃除のときです。「ケージの扉がゆるみロックが効かなくなっていた」「ほつれたハンモックから糸が伸び、足を引っかけそうな輪っかができていた」「おもちゃが破けて中身が飛び出していた」などは、放置すれば事故の元に。掃除の際には危険箇所がないか、目配りできると良いですね。

フェレットのお掃除にまつわる疑問!洗剤・消毒はどうする?

安全・快適な掃除のヒントをご紹介していきます。

洗剤は何を使えばいい?

小動物専用のものや、シンプルな成分の石鹸が適しています。

お湯や水洗いではきれいにならないのではと心配される方は、アクアケアなどの次亜塩素酸電解水を吹き付けると除菌、消臭ができる上、フェレットくんが舐めても無害なので安心です。
合成洗剤などは強い洗浄力が魅力ですが、刺激も強いのでフェレットくんに有害な可能性がありますから、使用する場合は慎重に。合成洗剤の中でも比較的、洗浄成分がおだやかな「中性洗剤」は食器用洗剤でもおなじみで、希釈したものはペット用品の洗浄にも一般的に使われていますから、心配しすぎなくても大丈夫です。

海外では人気? 身体に入っても安心な素材から作る、自家製クリーナー

ちなみに海外では、自作の洗剤も使われているようで、例えば以下のものが紹介されていました。
フェレットのお掃除にも使える天然素材ー【ケージ・トイレ・ハンモック】フェレットグッズの掃除・お手入れ方法
・ホワイトビネガー(アメリカでは一般的なトウモロコシから作られる酢)を染み込ませたコットンをウンチや尿の汚れの上に置いて湿らせ、しばらくしてから除去する

・粉末重曹を汚れにふりかけ、レモン汁と温水を5:1で混ぜた液をスプレーして発泡させ、3分後に除去する

重曹とクエン酸を使ったお掃除は日本でも一般的ですが、似ていますね。

なお、天然成分の洗浄剤を使用する場合も最後は水でしっかり洗い流すことを心がけてください。食品にも使える成分でのお掃除は安心感がありますが、身体の小さいペットは人間よりも刺激に敏感。また、動物は手足についたものをなめるなどしてわずかに残った成分も体内に取り込みやすいので、気をつけましょう。

フェレットに安全に使用できる除菌消臭剤も用意しておきたい

トイレのほかにもケージやお部屋の汚れを落としたあとは、消毒の意味をこめてアクアケアなどの除菌消臭剤で仕上げをするとより清潔です。舐めたり体に付着したりしても安心な、小動物用のものがおすすめで、幅広い菌に効果のある次亜塩素酸を希釈した製品などが発売されています。トイレ以外で排泄した時にも、あると心強いですね。

どんな除菌・消毒剤でも、使用時はフェレットをそばに近づけないようにしてください。

掃除のときフェレットはどうするの?

毎日のお掃除は10分もあればできますから、フェレットがハンモックなど邪魔にならない場所で寝ているなら、起こさずに手早く掃除してしまいましょう。
ハンモックで眠る2ひきのフェレットー【ケージ・トイレ・ハンモック】フェレットグッズの掃除・お手入れ方法
フェレットが起きている時は、別のケージやキャリーに入れる、放牧スペースにしている部屋に移動させるなど、安全な場所で待機させて掃除してください。

フェレット対策が不十分な部屋で待たせていると、思わぬ事故や脱走が起こります。特に、掃除中にはフェレットから目を離さざるをえないので、安全管理はいつも以上に難しくなりますよね。「短時間だから」と油断せず、他のケージやキャリーに入ってもらいましょう。掃除のために、ミニサイズでもいいので予備ケージを持っておくと便利です。

関連コラム:【室内飼育・放牧時の事故防止】フェレットと暮らす家の安全対策

なお、フェレットを掃除後のケージに戻す前は、ブラッシングをしてあげるなどフェレットについている汚れをさっとキレイにするとより清潔が保ちやすくなります。

時々は「大掃除」でケージとグッズを丸洗いしよう

毎日の掃除に加えて、時々やりたいのが大掃除。目安として、ケージは1〜2週間に1度、ケージの中に入れるものは週に1度しっかり汚れを落として除菌までしたいところです。

汚れがひどくなければお湯とスポンジで洗い、乾燥させた後に除菌用スプレーなどで消毒します。トイレ・食器・ボトルは予備があれば、天日干しでじっくり乾かせるので便利です。

ハンモックやタオルケットなどの布製品はどうするの?

ハンモックやマットなどの布製品は、フェレットの皮脂が染み込んでニオイが強くなりますから、最低でも週に1回は取り換えましょう。洗い替えを用意できるなら、もっと頻繁に交換するのも手です。

洗剤は無香料の中性洗剤やペット用のものにしてください。洗剤の刺激が強いとかゆみを引き起こし、皮脂の分泌が増すことでフェレットの体臭が強まる可能性があります。
柔軟剤や香り付けの薬液は使用しないでください。匂いが強いとフェレットにはストレスですし、時にはくしゃみの原因になります。特に最近の洗剤は香りを残すタイプが多いので、気をつけましょう。
ハンモックから顔を出すフェレット2匹ー【ケージ・トイレ・ハンモック】フェレットグッズの掃除・お手入れ方法
なお、人間用と同じ洗濯機を使いたくない時はバケツ型のポータブル小型洗濯機で洗う、手洗いするなどの方法があります。

放牧部屋のお掃除もお忘れなく

ケージや身の回りのグッズに加えて、放牧部屋のお掃除も必要です。
フェレットはエサをお気に入りの場所に隠したがります。ソファの下やタンスの裏側に「秘密基地」を持っている子も多いかもしれませんが、カビの生えたエサが放置されていないか定期的にチェックしましょう。

また、フェレットの皮脂が付着することで敷物やソファなど布製の家具にはある程度、匂いがつきます。放牧部屋のソファカバーやカーペットは丸洗いできる製品がおすすめです。

人間もフェレットも、快適・健康な暮らしは清潔な環境から

清潔な環境で暮らすと気持ちがいいのは、フェレットも人間も同じです。不衛生にしていると気持ちが悪いだけではなく、感染症などの病気の原因にもなりますから気をつけましょう。なお、多頭飼育ではそのぶん汚れも溜まりやすいので、お掃除の頻度は上げてくださいね。


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橋爪宏幸

フェレット情報局局長。 フェレット専門店フェレット・リンクのオーナー。 ExoticpetSaver FirstResponder/ExoticpetSaver Emergency Rescue Technician。 まだまだ分からないことが多いフェレットの世界。フェレットとの暮らしに少しでもプラスになるように、世界中からフェレットの情報を集めて発信していきます。