こんにちは! 我が家にもフェレットくんをお迎えしたくてたまらない井上です。
ところで、フェレットと一緒に暮らそうと考える人が疑問に思うことの1つに「ニオイ」があります。「フェレットはくさい」なんていう噂を耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、本当はどうなのでしょうか?
そこで今回は、フェレットのニオイとその対策について詳しくご紹介します。
目次
フェレットはどんなニオイがするの?
フェレットのニオイは、実は2つに分けられるんです。
全身に分布する腺から出る皮脂に含まれるニオイ
どんな生き物にも生まれ持った「におい」、いわば「体臭」があります。フェレットの体臭の正体は、皮脂。フェレットの全身には、毛皮を乾燥や汚れから保護するために皮脂を分泌する腺があります。ここから出る皮脂に、フェレット特有の匂いがあるのです。
フェレットは「ムスク」の香り?
フェレットの体臭を言葉で表現するのは難しいのですが、犬や猫とは明らかに違うニオイで、フェレット飼育が盛んな英語圏の国ではよく「ジャコウ(musk)」の香りにたとえられます。
ジャコウとは、雄のジャコウジカから得られる分泌物を乾燥させた香料のことで「甘い香り」と表現されることもあります。「ムスクの香り」などと書かれた香水のパッケージをみたことがある人もいるかもしれませんね。ただ、香料としての「ジャコウ(ムスク)」は分泌物を加工して何倍にも薄めたもの。むしろ、加工する前のジャコウは強烈なニオイと言われることもあります。ということは、フェレットのニオイ(体臭)はやっぱりくさいのでしょうか?
避妊・去勢を受けていれば皮脂のにおいは大きく減らせる
実は、ペットショップでお迎えできるフェレットであれば通常、体臭はかなり抑えられています。それは、避妊・去勢手術を済ませており、ニオイの原因となる皮脂の分泌が盛んにならないからなんです。
皮脂の分泌量を左右するものは、体内のホルモンです。そのため、フェレットが性成熟して発情期を迎えるようになると、皮脂の分泌が増えてにおいも強まります。避妊・去勢手術を受けることで発情期もなくなるので、性周期にあわせてニオイがきつくなることはないのです。
強烈!?肛門腺のニオイ
フェレットには、体臭のほかにもう1つ、特徴のあるニオイが出る部分があります。それが、肛門腺です。
フェレットを含む肉食動物には、肛門の近くに小さな袋(肛門線)があり、危険を感じた際に、においのある分泌液を出します。敵に襲われた時にはお尻から強烈なにおいを放つ動物といえば「スカンク」が有名ですが、イタチも負けてはいません。「イタチの最後っ屁」という言葉もあるくらい、肛門線がよく発達しているんです。
フェレットもイタチ科の動物ですので、「相当におうのでは?」と気がかりな人もいるかもしれませんが、実は、その心配は不要です。日本のペットショップで売られているフェレットはほぼ100%、肛門線が除去されているからです。
検証!「フェレットはクサイ」説
ここまでご紹介したところで、やっぱり気になる「フェレットはくさい」説について考えてみたいと思います。
避妊・去勢手術を受けているフェレットであれば、他の動物にくらべて極端にニオイがきついというわけではありません。特に、2種類あるフェレットのニオイのうち強烈な方の「肛門腺」は、除去されているので、まず問題にはならないでしょう。
にもかかわらず「フェレットがくさい」という意見があるのは、なぜでしょうか。
「フェレットはまったくにおわない」と誤解されている?
もしかしたらですが、肛門腺をとっているということで、「フェレットはまったくニオイがしない」と誤解されてしまっていることが原因かもしれません。
ご説明した通り、フェレットのニオイの原因は肛門腺だけではありません。肛門腺を除去しても、体臭の原因となる皮脂のニオイは減らないのです。それなのに、肛門腺を除去している=ニオイがまったくしない、と期待してフェレットを飼うと、「思ったより臭う」となってしまう可能性があります。
人間を含め、どんな動物にもにおいはあって当たり前。ですが、「におわない」と思って接すると、かえってにおいを強く感じてしまう、ということはあるのかもしれませんね。
ワンポイント・アドバイス
日本に初めてフェレットが紹介された約30年前には、臭腺の除去手術、避妊・去勢手術が済んでいない子も輸入されていました。このため古い情報でフェレットは「臭い」という情報が今でも独り歩きしているのかも知れません。現在はほぼ100%臭腺の除去手術と避妊・去勢手術が済んでいます。
「未知のにおい」は強く感じる?
犬や猫のにおいであればなんとなく想像ができ、慣れている人もいるかもしれませんが、フェレットのにおいは、ほとんどの人にとって初めてかぐ種類のものです。誰しも、未知のものには警戒心が働きますよね。初めてのにおいなので、フェレットの体臭をより強く感じてしまう、という可能性もあるかもしれません。
確かに独特のにおいはしますが、慣れてしまえば何も感じない人が多い程度のものです。中には、このニオイをかぐと落ち着くというフェレット愛好家もいるとか。「ニオイ」って不思議ですね!
フェレットのにおい対策!ポイント4つ
フェレットのニオイは生活の仕方によっても変化するものです。どんな点に気をつければニオイを減らせるのかご紹介します。
寝床・トイレをこまめに掃除する
フェレットの体臭の原因である「皮脂」は寝床のマットやハンモックなど、長い時間を過ごす場所に付着します。そのため、寝具は定期的に洗濯して交換してあげましょう。
また、トイレはこまめに掃除するようにします。ケージやおもちゃなど、フェレットがよく触れるものは基本的に丸洗いできる素材のものにしておくと安心です。
耳掃除をする
フェレットの耳はベタベタとした耳垢がたまりやすく、ニオイの原因になることがあります。やりすぎは禁物ですが、2〜3週間に一度は耳掃除をしてあげるようにしましょう。匂いがとても強く、真っ黒な耳垢が取れる場合は「耳ダニ」がいる可能性もあるので、獣医さんに連れて行くことをおすすめします。
お風呂にいれすぎない
ちょっと意外かもしれませんが、頻繁にお風呂に入れることはフェレットのニオイ対策としてはむしろ逆効果。皮脂には、毛皮を守る役割があります。そのため、入浴で皮脂を洗い落としてしまうと、乾燥をふせぐためにより活発に皮脂が分泌され、フェレットのニオイはますますきつくなってしまいます。
水遊びが好きなフェレットくんでも、ニオイのことを考えるのなら、お風呂は多くともワンシーズンに1回程度にとどめておくのが無難です。
ワンポイント・アドバイス
フェレットの入浴は、臭い対策もそうですが、皮膚が思っている以上に敏感なため、多くとも1か月に1回程度、できれば数か月から半年に1回程度にしていただくことが望ましいです。
エサはフェレット専用フードを選ぼう
フェレットのフンには、肉食動物に特有のニオイがあります。ですが、このニオイは食事の内容を適切にすれば、かなり減らせます。
フェレットにとって大切な栄養素は、動物性のタンパク質と脂肪で、炭水化物や食物繊維などはあまり必要ありません。タンパク質が約3割、脂肪が約2割を占める食事が理想的です。野菜や果物などは与えず、品質の良いフェレット専用のフードを用意しましょう。
ワンポイント・アドバイス
フェレットは完全肉食動物です。食性にあったフードを選んであげることが健康面からもとても大切です。
フードをお選びの際はぜひ、専門店の方のアドバイスも参考にしてみてください
正しい知識を持って、フェレットくんと一緒に暮らそう
ニオイの感じ方には個人差も大きいので、「フェレットはくさくない」と一概に言うことは適切ではないでしょう。ですが、一般的な基準に照らしあわせると決して「フェレットはニオイがきつい動物だ」とは言えないと思います。
フェレットと一緒に暮らしたいけれど、「においがキツそう」というイメージが先行して諦めてしまうのは、ちょっともったいないかも。ぜひお店に足を運んでみて、実際のフェレットくんのにおいを感じてみてくださいね。
フェレットをお迎えしたいとお考えの方は、ぜひフェレット専門店「フェレットリンク」へ!
フェレットくんが健康で幸せに暮らすために、食事の内容に気をつけたり、過ごしやすい環境を整えたりと、飼い主さんができることはたくさんあります。生活の質をより良いものにすれば、もっと元気いっぱいに動き回り、とびきりキュートな表情を見せてくれるかもしれません。
ワンちゃん、ネコちゃんに比べると少しレアなイメージもあるフェレットくんですから、初めてお家にお迎えする時には、何かと気がかりなこともあるでしょう。そんな時に立ち寄りたいのが、フェレット専門店です。丁寧なサポートが受けられるので、フェレットくんと初めて一緒に暮らす方でも安心です。
フェレット専門店・フェレットリンクでは、お世話の仕方から、爪切りなどの日常のケア、病気のときのアドバイスなど、きめ細やかなサポートを提供しています。フェレットくんに会いに、ぜひお店に遊びに来てください。
井上
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