うさぎのウンチって?

うさぎは通常2種類のウンチをします。

ひとつは硬便という硬くて丸く、乾燥したコロコロとしたウンチ。

もうひとつは盲腸便と呼ばれる、やわらかくブドウの房のような形をしたウンチ。

盲腸便は通常肛門に直接口をつけて食べてしまうため、あまり目にすることはありません。

上記の二つ以外のウンチをしているときは、うさぎの体に何らかの不調があるサインです。

普段からウンチの状態を観察するようにしましょう。

下痢の症状

やわらかくべちょっとした軽い下痢から、水のようにシャバシャバの下痢、粘液や血液が混じった下痢をすることも。

おなかの痛みから背中を丸めてうずくまっている様子が見られたり、お尻が汚れていることで気づくこともあるでしょう。

下痢は命の危機に直結する可能性もある症状です。下痢をしているのに気づいたら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

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下痢の原因

うさぎが下痢をするときは、次のような原因が考えられます。

  • 菌、ウイルス、寄生虫の感染

細菌、真菌に感染し、腸内細菌叢が乱れ下痢をすることがあります。

ロタウイルスなどのウイルスや、コクシジウムという寄生虫も下痢を引き起こすことがあります。

  • 食事内容

繊維質が低く、でんぷんや糖質の多い食事は胃腸に負担をかけ、下痢の原因になります。

主食の牧草を与えていなかったり、果物など甘いおやつをあげすぎているとお腹の調子を崩しやすくなります。

  • ストレス

人間がストレスや緊張でお腹をくだすことがあるように、うさぎも心身に負担がかかると胃腸の働きが悪くなります。

長時間の移動や環境の変化など、ストレスが原因で下痢をすることがあります。

 

下痢の治療

糞便検査で原因を特定し、投薬治療をします。動物病院に連れて行く際は便を持参するようにしましょう。

下痢症状が進むと脱水状態になることもあり、水分補給は大切。体に吸収されやすいペット用イオン飲料などを与えるのもおすすめです。

ただし水分を与えすぎるとまた下痢をすることもあるので、獣医師に指示を仰ぎましょう。場合によっては食欲が低下し強制給餌が必要になることもあります。

下痢がお尻にずっと付着していると皮膚疾患などの原因にもなります。お尻の汚れはこまめに拭き取り、ペットシーツやタオルを敷いて頻繁に取り換えるなど、清潔に過ごせる環境を整えましょう。

お尻が濡れていると体も冷えるので、ペットヒーターなどで暖かく過ごせるよう工夫してみるのも一案です。

 

下痢の予防

日常生活ではストレスや食事に気を配り、胃腸の働きを低下させないよう心がけることが大切です。

また毎日の健康チェックを習慣づけることでお尻の汚れやウンチの異常に早く気付くことができます。

子うさぎの下痢にはとくに注意が必要です。

腸内細菌叢が完成されていないうえ、お店から家に連れてこられるという大きな環境の変化もあって、お迎え直後に下痢をするといったケースも多いようです。

同じように高齢うさぎも、加齢により体力が低下し胃腸の働きも悪くなってくるため、ストレスや寒さなどで下痢をしやすい傾向にあります。

生まれつきの体質でお腹が弱い子も。かかりつけの獣医師と相談しながら、健康管理を行いましょう。


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齊藤万里子

うさぎの専門雑誌『うさぎと暮らす』元編集長。 『うちのうさぎのキモチがわかる本』元編集部員。 現在はフリーでペット関連書籍・雑誌の執筆・編集を行う。