うさぎタイムズ編集部の佐俣(さまた)です。生まれたばかりの子うさぎも、半年でもう大人。うさぎは人間の何倍もの速さで年老いていくのです。
高齢になると「歩く」「食べる」「排泄する」といった動物としての基本的な機能が衰えていきます。そんなとき、一緒に暮らすパートナーである私たちには何ができるのでしょうか?今回は、高齢うさぎの介護について考えていきます。
高齢うさぎ

うさぎの寿命は?

野生のうさぎの寿命は2~3年ですが、ペットとして飼われるうさぎさんの平均寿命は年々伸びています。個体差が大きいものの、現在は7~8年であると言われています。

参考記事

うさぎの平均寿命は何歳?

うさぎの介護が必要なのは何歳から?

では、介護が必要なのは何歳くらいからなのでしょうか。うさぎは5歳で人間の46歳相当、中年期に入ります。6歳頃から徐々に衰えていくと思って体調変化に気を配りましょう。

15歳まで元気に暮らすうさぎさんもいますが、6~7歳になったら介護できる体制を整えておいた方が良いでしょう。

高齢うさぎに必要なサポート

人間と同様に、高齢のうさぎには「食事ができなくなる」「排泄がひとりできなくなる」「病気にかかりやすくなる」などの問題が出てきます。毛に覆われているため、見た目の変化は少ないので、これまでと違う様子を見せたら注意深く観察し、快適に過ごせるように工夫してあげましょう。

トイレの失敗

若いうちはキチンとトイレで用を足していたのに、高齢になるとできなくなることがあります。原因はトイレの段差を乗り越えられなくなったことかもしれません。失敗が続くようならトイレを見直してあげてください。
排泄のコントロールがうまくできなくなった可能性もあるので、叱らずに片付けてあげましょう。

また、うさぎには盲腸便を食べる習性があります。盲腸便はよく見るコロコロのフンとは違うものです。食べたものを腸内で発酵させた盲腸便からの栄養摂取は、うさぎの健康維持に欠かせません。通常はお尻に口をつけて直接食べるのですが、高齢になるとそれがうまくできなくなってしまいます。
排便して乾いたものは口にしないので、盲腸便が出る時間を予測して待ち構え、すぐに食べさせてあげてください。

盲腸便

清潔を保つ

きれい好きなうさぎさんは全身を毛づくろいして、常に清潔を保っています。しかし、年老いてくるとそれがままならないことも。
汚れが目立つようなら、かたく絞った手ぬぐいや、ウサギ用の使い捨てシートで優しく拭き取ってあげます。毛に水分が残っていると皮膚の病気を招くので、しっかり乾かすようにします。

ケージの段差をなくす

ケージに段差があると思わぬケガを招きます。若いうちはロフトやトンネルの上がお気に入りで定位置だったとしても、高齢になると上り下りの際につまづいたり、爪をひっかけたりして骨折や脱臼をする恐れがあります。
定位置をいきなりなくすとかわいそうなので、「スロープを付ける」「低い位置に変える」など、うさぎさんの気持ちに寄り添って、快適なケージ内になるように考えましょう。

フードの変更

牧草の摂取量が減ってきたら、柔らかい牧草に変えてみて下さい。硬い牧草が食べにくくなっているのかもしれません。

運動量が減ってくると、これまでのラビットフードではカロリーが高すぎる場合があります。高カロリーのフードで肥満になると、病気のリスクが高まります。定期的な体重測定を心がけ、増加が止まらないようならシニア用のフードに変更しましょう。

🐇ワンポイント・アドバイス🐇

フード選びや与えるフードの量などは、個体差がありますので、うさぎさんの食餌量、体重の増減などを観察して、調整するようにしてあげてください。
シニア用フードでは、「ウェイトコントロール」をお試しください。

食事の介助

起き上がる体力があるうちは通常のフードを口元に運んで介助しますが、通常食の摂取が難しくなったら流動食を注射器型のシリンジで与えます。
水を飲む量が減っていないかも確認してください。給水ボトルから飲むのが困難な様子なら、お皿で飲み水を与えるなど工夫しましょう。

🐇ワンポイント・アドバイス🐇

流動食を食べるようになると、流動食でも水分を補給していますので、給水ボトルの水の減り具合が変わってくることがありますのでご注意ください。
また、給水ボトルから水を飲むことが難しくなってきたら、お皿ではひっくり返してしまうこともありますので、ボウルタイプの「ディッシュドリンカー350」や「ピュアクリスタル カートリッジ式ドリンクボウル ラビット」がとても便利ですので、是非お試しください。

5歳を過ぎたら定期的な健康診断を

どの年齢の子も定期的な健康診断は重要ですが、特に中年期に入ったうさぎは半年に一度は健康診断を受けることをおすすめします。
早期発見がうさぎさんの長生きの秘訣です。大切な家族であるうさぎさんと一日でも長く一緒に暮らすために、異変を感じたらすぐにお医者さんに診てもらいましょう。

うさぎを迎えたいとお考えの方は、ぜひうさぎ専門店へ!

うさぎ専門店では、うさぎのお世話の仕方から、日常のケア、病気のときのアドバイスなど、専門店ならではのきめ細やかなサポートをご提供しているところが多いので、初めてうさぎと暮らす方でも安心です。
うさぎと暮らしてみたい方は、まずはうさぎ専門店に行かれてはいかがでしょう。


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佐俣

うさぎタイムズ編集部員、うさぎ専門ライターです。うさぎさんが、ただ「可愛らしいから」ではなく、正しく理解され、共に暮らすパートナー・家族としてお迎えしてもらえることを願っています。初心者の方にもわかりやすく情報をお伝えできればと思っています。