フェレットくんと暮らす飼い主のみなさん、こんにちは。
フェレット情報局は、フェレットの生態・お世話の仕方について、専門店『フェレットリンク』のスタッフが発信するメディアです。

今回のテーマは睡眠。
ご存知の通り、フェレットは長時間&ぐっすり眠る生き物。「こんなに寝て大丈夫かな」「揺さぶっても起きないのは普通?」と心配した飼い主さんもいるかもしれませんね。フェレットの睡眠事情についてご紹介します。
丸くなって眠るフェレット

フェレットは毎日16〜18時間眠る

フェレットは1日に合計16〜18時間寝るのが普通で、6時間ほど眠り、 1〜2時間ほど覚醒するのを繰り返します。

睡眠時間の個体差はなぜ? ライフステージや季節で変化する眠り

フェレットの睡眠には個体差があり、睡眠時間に影響を与える要素の1つが年齢です。

いちばん長く寝るのは赤ちゃんと高齢のフェレットで、20〜22時間と1日の多くを眠って過ごします。対照的なのが6ヶ月から1歳ぐらいまでの大人になりかけた若いフェレットで、好奇心たっぷりに冒険したがるため、一生涯でもっとも睡眠時間が短いとされています。完全な大人フェレットになると、睡眠時間は16〜18時間に落ち着くのだそうです。

また、季節によっても睡眠時間は変化し、冬の方が2時間程度も長く眠る子もいます。さらに、オスはメスより長時間眠る傾向があるのだとか。フェレットの睡眠事情はさまざまですね。

フェレットの睡眠時間はなぜ長いのか

はっきりとした理由はまだわかっていませんが、活動時間を最小限にすることでエネルギーを節約するためでは、という説があります。

野生のフェレットが活動するのは日没時や夜明け前の短い時間。夜行性ではなく「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」といいます(※)。この時間帯はエサとなる小動物が活発に動き回るうえ、フェレットを捕食する夜行性の大型肉食獣や猛禽類との遭遇リスクも低くなります。これ以外の時間帯を眠って過ごすのは、体力を温存し危険回避するための戦略なのかもしれませんね。

※ペットのフェレットは、飼い主さんの生活に合わせて睡眠の時間帯を調整できるので、この限りではありませんフェレットとフクロウ

「寝過ぎかも?これって病気?」見分け方のポイント

ケージを覗き込むたびに爆睡中、という場面が続けば「さすがに寝過ぎ?」と心配になりますね。実際、あまりにも長時間眠るのは病気の症状でもあるんです。

いつもより急にたくさん眠るようになった、途中で起きずぶっ通しで寝ている、食欲不振や体重減少、嘔吐、下痢、脱毛、歯ぎしりなどがある場合は、獣医師に診せてください。

また、フェレットに多い病気「インスリノーマ」になると、低血糖の発作を起こし、深く眠っていると思ったら実は昏睡状態だった、ということがあります。昏睡や発作時には、よだれが出る、体がこわばる、痙攣や嘔吐などが見られますから、すぐ受診しましょう。

“死んだように眠る”を体現「フェレットデッドスリープ」とは

健康に問題のないフェレットも、時折、非常に深く眠り込むことがあります。
“死んだように眠る”という言葉通り、全身の筋肉が完全にリラックスして、触っても揺さぶっても反応しません。目や口を開けて舌を出したままのこともあり、びっくりして抱きあげると、人形のようにブラーンとしてしまいます。
この深い眠りは、英語圏では「フェレットデッドスリープ」と呼ばれているんです。
ぐっすり眠るフェレット
フェレットがここまで深い眠りにつく理由は不明です。度々こんな眠り方をする子もいれば、まったくしない子もいます。わかっているのは、これもフェレットの自然で正常な睡眠だということ。慌てる必要はないんです。

本当に大丈夫? 生きてるか心配になったら

胸を見て呼吸を確認し、歯茎をチェックしてください。ゆっくりとした浅い呼吸が見られ、歯茎が健康的なピンク色なら問題ありません。

フェレットがなかなか起きない!デッドスリープから目覚めさせる方法

「どうしても心配で何か反応してほしい」という時は、おなかや耳の後ろを撫で、名前を呼んで優しく起こしてあげてください。鼻の下におやつを差し出すと、おいしい匂いに惹きつけられて、しばらくすると目が覚めるはずです。
とても深く眠っているので、起きるまで時間がかかるのは当たり前(※)。なかなか起きないからと、激しく揺さぶったり、大きな声で叫んだりしてはいけません。

深すぎる眠りは、思いっきり遊んでクタクタに疲れていたからかもしれないし、飼い主さんの用意してくれた寝床が快適だったからかも。優しく見守ってあげましょう。

※日常的に、呼びかけてもなかなか起きない子は難聴の可能性もあります。

思わぬところでの「デッドスリープ」はリスク大!事故防止に努めよう

フェレットは疲れるとどこでも寝てしまいます。
扉を開けっぱなしの洗濯機や電子レンジ、床に置いてあるバッグの中など、思いもよらぬ場所で深い眠りについてしまうこともありえます。ふたの空いた洗濯機気づかずにスイッチを入れてしまったり、踏んづけてしまったりすれば恐ろしい事故に。
遊んでいる途中で眠り込むリスクも考慮し、放牧する部屋には万全の対策を行いましょう。

関連コラム:【室内飼育・放牧時の事故防止】フェレットと暮らす家の安全対策

【安眠のために】フェレットの理想の睡眠環境

良質な眠りは健康に不可欠ですし、1日の大半を眠って過ごすフェレットですから、心地よい睡眠環境を整えてあげたいものです。飼い主さんにできることは何でしょうか。

快適な寝床を、複数用意してあげよう

自然界では巣穴で眠るフェレットは、物の中に入ったり、下に潜ったりして安心できる場所で寝たがります。箱やパイプ、ハンモック、毛布などはお気に入りのベッドになります。
気分に応じて選択肢があるとフェレットはもっと幸せに。寝床を複数用意してあげるとさらに喜ばれるでしょう。

トイレで寝てしまうのはなぜ?

寝床よりもトイレの方が安全と感じている、寝床が寒くトイレの方が暖かい、寝床の感触がフェレット的にはイマイチ、など原因はさまざまです。気に入ってもらえるよう、いろんな寝床を試してあげてください。ケージの隅で丸くなって眠るフェレット

できれば静かな環境で熟睡させてあげたい

エアコンや扇風機のモーター音のように規則的な音は気にならないけれど、テレビやステレオの音は耳につきますよね。フェレットも同じです。完全に無音を目指す必要はありませんが、不規則に大きな音がする場所は避け、ケージの設置場所には気をつけましょう。

フェレットが寝るとき部屋の電気は消した方がいいの?

おもに海外の飼育家の間で支持されている説ですが、フェレットは昼夜を問わず真っ暗な環境で眠らせるべき、という考え方があるんです。

フェレットの生殖周期は日光の影響を受けると考えられています。避妊・去勢手術を受けた子でも、光を浴びすぎると生殖ホルモンが過剰に分泌され、副腎を刺激することで副腎疾患につながるという報告があるんです。そこで、電気を消したり、ケージにカバーをかけたりして、睡眠中に光が当たらないようにしてあげようというわけです。

このような考え方は日本ではまだ主流ではありませんし、フェレットの医学は発展途上。現段階ではなんとも言えないのが正直なところですが、自然界のフェレットが日常的に太陽や蛍光灯の当たる場所で寝ていないのは確かです。このため、病気予防のためにも、例えば、明かりを遮る袋タイプのハンモックやボックスタイプの寝床を用意するなど、フェレットの好みで暗い環境で眠れるようにしてあげるのは良いことだと思います。ハンモックから顔を出すフェレット

フェレットと飼い主さんは一緒にベッドで寝ていいの?

飼い主さんと同じ布団で眠るネコもいますから、フェレット君も「添い寝」できるのでは、と思った方もいるかもしれません。もちろん飼い主さん次第ではありますが、おすすめはできません。
寝返りで押しつぶしてしまうリスクはもちろんのこと、飼い主さんより先に目覚めたフェレットがベッドから降りようとして転落する危険もあります。寝床は分けた方がお互いのためです。

多頭飼育で折り重なって寝るのは大丈夫?

複数のフェレットを一緒に飼っている場合、それぞれに寝床を用意してあげても、たいてい全員が同じ場所で眠りたがります。他の寝床に問題があるわけではなく、折り重なって眠るのが好きなのでしょう。最初に寝床に入った子はみんなの下敷きで苦しそうに見えるかもしれませんが、大丈夫。これもフェレット流ですね。重なって眠る2匹のフェレット

フェレットの「眠り」を知ればもっと楽しい

5時間寝れば自然に目が覚める人もいれば、8時間寝ないとスッキリしない人もいるように、フェレットの睡眠スタイルには個性があります。長い時間を眠って過ごすフェレットですから、起きている時だけでなく「うちの子の寝方」も楽しんでください。

また、安眠のためには十分な運動も欠かせません。 毎日必ずケージから出して、疲れるまで遊ばせてあげることもお忘れなく。


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橋爪宏幸

フェレット情報局局長。 フェレット専門店フェレット・リンクのオーナー。 まだまだ分からないことが多いフェレットの世界。フェレットとの暮らしに少しでもプラスになるように、世界中からフェレットの情報を集めて発信していきます。