フェレットくんと暮らす飼い主のみなさん、こんにちは。
フェレット情報局は、フェレットの生態・お世話の仕方について、専門店『フェレットリンク』のスタッフが発信するメディアです。

春と秋はフェレットの毛が生え変わる換毛期(かんもうき)。私たちが衣替えをするのと同じですね。
今回はフェレットの換毛について詳しくご紹介します。この時期に必要なケアや、「抜けすぎてハゲるのは病気?」「毛が全然抜けていない気がする」などの疑問にもお答えできればと思います。
こちらを狙うフェレット

春と秋はフェレットの換毛期

多くの動物は季節の変わり目である春と秋に、毛が生え変わる「換毛」を迎え、フェレットも例外ではありません。目安ですが、秋より春の方が被毛の変化の度合いが大きい傾向にあります。

換毛期に皮毛を触るだけでゴッソリと大量に抜ける動物もいる一方、フェレットではそのような抜け方はまれです。普段に比べると抜け毛が目立ちはしますが、「毎日掃除機をかけないと部屋中が毛だらけに」という話はイヌ・ネコに比べると少ないようです。

換毛のタイミングや抜け方・量には個体差もかなり大きい

知っておいてほしいのは、フェレットの換毛期にはかなりの個体差があるということです。

同じ室内で複数匹と暮らしていても、早く抜け始める子、だいぶ遅れて抜け替わる子、大量に抜ける子、ほとんど抜けない子と、バラツキが出ます。海外のウェブサイトでも、換毛期は6〜8週間とも2〜3週間とも説明されており一定ではありません。ペットのフェレットの換毛事情は、実にさまざまということなのでしょう。

どうしてこんなに差が出るのでしょうか? 換毛に影響を与える要因には、フェレットの年齢や性別、日照時間、気温などが考えられています。
研究によると、若いフェレットと大人のフェレットでは抜け落ちる毛の種類(※)や、換毛がスタートする時期が違ったそうです。また、日が長くなるにつれて抜け毛が少なくなるという報告もありました。

※フェレットの被毛はアンダーコートとガードヘアの2種類で構成されています。詳しくはこちらの記事で解説しています。

換毛期を左右する要素にはまだ解明されていない部分が多く、今後の研究が待たれます。群れる白いフェレット

換毛期がないフェレットはいる? 毛が生え替わらないのはなぜ

飼い主さんから「うちの子は換毛期がない」というお話を聞くことがあります。

個々のケースで事情が異なるので一概には言えませんが、室内飼育では、温度や日照時間が一定であるため季節の変動を感じにくいことが一因かもしれません。外国などで外飼いされているフェレットは、室内飼育の子に比べるとはっきりした換毛期を迎えるそうです。

また、去勢・避妊手術を受けると換毛の量が減るとされています。さらにフェレットは普段から活発に動き回っていることもあり、生活の中で自然と抜ける毛も多いため、「飼い主さんが触った時にごっそり抜ける」ということは少ないのかも。「なんとなく抜け毛が増えたな」という程度の「飼い主さんが気づかないほど緩やかな換毛期」を迎えているため、「換毛が無い」と勘違いされてるのかもしれません。

夏毛はスッキリ、冬毛はフワフワ!長さ・質感だけでなく換毛期でカラーが変わる子も

フェレットは換毛期で印象が大きく変わることがあります。毛の長さや質感だけでなく、カラーが変化する子も多いんです。夏毛は黒っぽかったのに冬毛は淡い色、といった程度の変化は珍しくありません。「ほんとに同じ子?」と二度見するくらい激変する子までいます。

フェレットのカラーは成長や換毛で変化するもの。次の換毛期を迎えても、前回と同じ毛色に戻るとは限りません。イメチェンは「期間限定かも」と楽しんで欲しいと思います。

フェレットが黄ばんだ? 被毛が黄色っぽくなるのは皮脂の可能性も

換毛期のフェレットの被毛が全体的に黄色っぽく見えることがあります。ホワイト系の子で目立つのですが、セーブルやブラック・ブラウンの子でもよく観察すると、アンダーコートが黄色っぽく見えます。青い台に乗る白いフェレット
黄色系の被毛に生え変わることもありますが、中には、分泌が増えた皮脂のせいで毛色が黄色を帯びているケースがあるんです。

フェレットの全身には皮脂腺が分布しており、黄色い皮脂が分泌されています。皮脂には皮膚を保護する効果があり、換毛期には分泌量が増えるため、全身が黄色みを帯びたように見えるんです。
食餌の内容が適切であれば、皮脂の分泌は徐々に落ち着いていきます。ちなみに、皮脂を洗い落とそうと頻繁に入浴させると分泌がますます盛んになり逆効果です。

被毛が黄色みを帯びるのは病気ではありませんし、フェレットくん本人にも不都合はありませんから、心配しすぎず受け入れてあげていただければと思います。

換毛期とあわせて知っておきたい、秋冬の「ぽっちゃり化」現象

ところで、秋冬のフェレットがずっしり立派に見えるのは、ふわふわゴージャスな冬毛のおかげだけではないのをご存知でしょうか。

秋の換毛期を迎えると、フェレットの身体は冬に向け体脂肪の蓄積を増やします。夏と冬を比較すると、年間を通して平均した体重の30%程度も増減するという報告もあり、変化の大きさがわかります。
「太見え」ではなく実際に太くなるフェレットくん、春の換毛期で難なくスリム体型に戻れるのがすごいところですね。

関連コラム:フェレットは食べ過ぎで肥満にならないの?【フェレットのエサの与え方】食べ放題でいいの?フードの変更方法は?

換毛期じゃないのにフェレットの毛が抜けるのは異常?病気のサインの脱毛とは

春や秋以外にもフェレットの毛がたくさん抜けることがあります。換毛期は個体差が大きいので慌てず様子を見たいところですが、換毛と思っていたら脱毛症で、体調不良や病気のサインだったということもあるんです。遊んでいる最中にこちらを向くフェレット
フェレットの脱毛症には以下のような原因があります。

・不適切な食餌による栄養失調
・副腎疾患
・ダニなどの皮膚寄生虫
・感染症

正常な換毛期との見分けに悩むところです。特に春先の換毛期では、短期間で冬毛がたくさん抜けて毛がまばらになったり、ガードヘアがアンダーコートより先に抜けることで斑点状に見えたりすることがあります。ただ、通常の換毛ならどちらも、数日でバランスがとれてきます。
「換毛期とはほど遠い時期に毛が毎日大量に抜ける」「ハゲができ、生える兆しもなく拡大している」などのケースや、他になんらかの症状が疑われるときは健康診断もかねて受診をおすすめします。

毛が抜けたままでは体温を保てませんし、皮膚も傷つきやすくなりストレスの増加や健康状態の悪化につながります。
また、フェレットに多い副腎疾患が原因で脱毛が起こっている場合は、様子をみているうちにどんどん進行してしまいます。「たかが脱毛」と放置せず、早めに獣医師に診せてください。

フェレットの尻尾が丸ハゲ・・・これって大丈夫?

換毛期を迎えたフェレットのしっぽの毛が完全に抜け落ち、まるでネズミのしっぽのようにピンク色の皮膚がむき出しになることがあります。ショッキングな見た目にびっくりするかもしれませんが、これは繁殖期のオスによく見られるもので、病気ではありません。去勢手術を受けた子でもなることがあります。多くの場合、次の換毛期には毛が生えてきます。
ネズミの尻尾
ただし、しっぽの脱毛も副腎疾患の初期兆候の場合があり、特に、脱毛の範囲がしっぽ以外にも広がる場合は注意が必要です。しっぽの脱毛は念のために受診をおすすめします。

尻尾の皮脂づまりには部分的なシャンプーで対応

尻尾の毛穴に皮脂が詰まることが原因で脱毛が起こる場合があります。獣医師の診断で、脱毛の原因が「皮脂詰まり」と確定した場合、尻尾の部分だけをフェレット用のシャンプーで洗うという方法が効果的な場合があります。

ただし、皮脂の取り過ぎは逆効果ですので、数日間に一回にするなど頻度には気をつけてください。

フェレットの換毛期の過ごし方・ケアの方法

換毛期に必要なケアは抜け毛対策です。

定期的なブラッシングで毛球症・腸閉塞を予防

フェレットは普段から体を舐めて綺麗にしているので、換毛期には抜けた毛をたくさん飲み込んでしまいます。少量の毛なら排泄できますが、大量になると、胃の中で毛球が溜まったり、腸に詰まって腸閉塞を起こしたりする危険が高まります。
ブラッシングで抜け毛を取り除き、飲み込む毛を減らしましょう。

換毛期には2〜3日に一度のブラッシングができれば理想ですが、嫌がる子には無理強いしないでください。その場合には、飲み込んだ毛を排泄しやすくするサプリメントも活用しましょう。
また、抜けた毛が空気中に漂うので、こまめな換気や、床・ケージの清掃、ハンモックの洗濯やエアコンの清掃もおすすめします。

食欲や全身状態のチェックも忘れずに

換毛期には食欲が落ちる子もいますし、また、春や秋の生え変わりの季節でも脱毛症が起こることもあります。毛が抜け変わっている時は、全身状態のチェックにいつもよりも気を配りましょう。

なお、換毛期の動物は一般に普段よりも体力を使うのですが、フェレットは自分自身で食事量を調整できるので、フードの与え方はいつも通りで大丈夫です。丸くなって眠るフェレット

換毛期を快適に過ごせるようサポートを

フェレットが換毛期を迎えたかな、と思ったら抜け変わりのサポートをしてあげつつ、見守っていただければと思います。時には、脱毛が病気のサインになることも知っておき、異常の早期発見につなげてあげてください。


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橋爪宏幸

フェレット情報局局長。 フェレット専門店フェレット・リンクのオーナー。 まだまだ分からないことが多いフェレットの世界。フェレットとの暮らしに少しでもプラスになるように、世界中からフェレットの情報を集めて発信していきます。