お客さまから
「ラビットフードは、グルテンフリーの方がいいの?」
というご質問をよくお受けします。
今回はうさぎさんに与えるラビットフードを選ぶ際に、グルテンフリーを含めて、どういった基準で選ぶべきかを考えたいと思います。
目次
グルテンフリーに科学的根拠はありません
グルテンフリーと聞くと多くの方は、健康的なフードというイメージを抱かれることと思います。
しかし現段階では、グルテンフリーが健康的なフードという科学的根拠はどこにもありません。
これは人の食事についても言えることです。
本来はアレルギー対策としてのグルテンフリー
グルテンフリーは、本来グルテン過敏症やグルテン不耐症と呼ばれているグルテン関連疾患対策として登場しました。
その後世界的なテニスプレイヤーやモデルが食事に取り入れ健康になった、ダイエット効果があったということがマスコミなどで取り上げられ、健康的な食事、ダイエット効果のある食事として広まりました。
ペットフードの世界でも、アレルギー対策としてドックフードからグルテンフリーが取り入れられました。
しかしうさぎさんの世界では、うさぎさん自体がグルテン関連疾患を持っているかは不明で、アレルギー対策としてではなく、小麦粉不使用という点を強調するために取り入れられてきたのではないかと考えられます。
小麦粉はなぜよくないと思われているのか
では、なぜ小麦粉は良くないと思われているのでしょうか。
小麦粉には、グリアジンとグルテニンというたんぱく質が多く含まれていて、水を加えて捏ねると、このグリアジンとグルテニンが絡み合ってグルテンになります。
グルテンは粘着性と弾性を兼ね備えていて、これがお腹の中で食べ物や飲み込んでしまった被毛と絡まることで塊となり、胃腸うっ滞の原因になるではないかと考えられています。
しかし、この辺りのことは未だ解明はされていません。
このため、グルテンフリーにこだわる必要性はありませんが、胃腸うっ滞の遠因としての可能性を考慮して、過度な摂取は避けるという風に捉えていただくのが良いと思います。
小麦粉を避ける本当に理由
一般的には前述の通り小麦粉に含まれるグルテンがうさぎさんにとって厄介な物質として捉えられています。
しかし現時点でハッキリしていることは、グルテンではなく小麦粉に含まれるデンプンに注意すべきということです。
うさぎさんは、デンプンの90%を小腸を通過した時点で消化しますので、極めて高い消化率を誇っています。しかし、小腸で消化されず盲腸にデンプンが大量に流入すると繊維消化率が低下し、繊維が分解されず盲腸内に詰まってしまったり、異常にガスを発生させたりする可能性が高くなります。
これが胃腸うっ滞の原因です。
このため、うさぎさんの給餌量中のデンプン量は、14%以内に抑えるように推奨さてています。
うさぎさんが良く食べるからといってデンプンを多く含む小麦粉を大量に使用したフードやおやつを与えない方がうさぎさんの健康にとって良いことは自明の理です。
フード選びのひとつの基準
これまで見てきたようにラビットフードを選ぶ際には、デンプンの含有量を14%以内に抑えたラビットフードを選んだ方が良いことが分かりました。
しかしラビットフードの袋の記載には、デンプンの含有量について書かれたものはありません。
現時点で私たちができることは、原材料表記で比較することになります。
ペットフードの原材料表記は含有量の多いものから記載するように推奨されています。
このため、小麦粉が3番以内に記載されているフードは避けた方が賢明かと考えています。
5番目6番目辺りに記載されているフードであれば安心して与えることでができると推測できるでしょう。
*ただし、牧草の含有量が多いフードでは、小麦粉の含有量が低くても他の原材料も低いために原材料表記で小麦粉が上位に挙がってくるものもありますので、気になるようでしたらメーカーに問い合わせていただくのもよいかと思います。
まとめ
うさぎさんの健康を考えた時に、グルテンではなくデンプンの含有量を抑える必要があるため、原材料の3番目以内に小麦粉の記載があるラビットフードは避けることが賢明です。
また、デンプンは小麦粉の他にもトウモロコシ、大麦、えん麦、キヌアにも多く含まれていますので、これらのものが原材料に多く含まれているフードは避けた方が良いと言えます。
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