ネザーランドドワーフのどアップ
うさぎタイムズ編集部の佐俣(さまた)です。ウサギの視野は360°近く、地平線の端と端がくっついたように映るようです。そんなに広い視野を何に使っているのでしょうか。
今回は、ウサギの視野の秘密と目の機能、色についてご説明します。

ウサギの視野はほぼ360°!

ウサギの目は、顔の両側面にやや突き出した状態で位置しています。片方の目で見える視野(単眼視野)は190°、死角を除き両目を合わせると355°にもなります。

その広い視野で何を視ているのでしょうか。

見渡せるようになったのは、天敵から逃げるため

ウサギが後方まで確認できる広い視野を持ったのは、どこから襲ってくるかわからない肉食動物から逃げるためとされています。

しかし「天敵か仲間か」を瞬時に識別するだけの視力は持ち合わせていません。そのため、信頼している飼い主さんが動いただけでも、驚いて逃げてしまうことがあるのです。

ウサギは暗闇でも行動できる

ウサギは薄明薄暮性(明け方や夕暮れに動く性質)の生き物です。そのため、光を感じる能力が非常に高く、ヒトの約8倍あるといわれています。
洞窟で暮らしているご先祖の穴ウサギの習性は、飼いうさぎになっても残っているようです。そんなうさぎさんの撮影にフラッシュを使ったらどうなるかは、たやすく想像できます。絶対に避けましょう。

人間にはない「瞬膜」がウサギにはある

瞬膜とは、眼球を覆う薄い膜のことです。角膜の保護だけでなく涙が出るのを助け、ドライアイを防ぐ役割を持っています。
人間からは退化しましたが、ウサギを始めネコやカエルなどには残っています。

ウサギが認識する色は緑と青色

人間は「赤」「青」「緑」を認識する「3色型色覚」ですが、ウサギは赤色の認識が薄い2色型色覚とされています。
緑と青の認識が発達した理由の一つとして、草食動物の主食である草を認識するためといわれています。

ウサギの視力は低く、立体的に見える範囲は少ない

さまざまな機能を持っているウサギの目には、このような側面もあります。

ウサギの視力は0.05〜0.1ぐらい

ウサギはかなりの近視(遠くのものがはっきり見えない)で、数値化すると0.05〜0.1程度の視力といわれています。
0.1は視力検査で一番上のランドルト環(Cのようなマーク)を5m先から確認できる視力と同程度です。

ウサギが立体的に見えるのは10°だけ

広い視野のほとんどが平面で映し出されるウサギ。立体的に認識できる(両眼視野)範囲はとても狭く前10°、後ろ9°程度といわれています。
前方の両眼視野は餌を捕獲するため、後方は肉食動物との正確な距離を測るために使用します。

🐇ワンポイント・アドバイス🐇

うさぎさんは鼻先が死角になっています。口元や鼻先におやつを出しても気づかないことがあるのはこのためだと思われます。

ウサギの目の色

目の機能についてご説明しましたが、色についてもみていきましょう。

目の色は5色

ウサギの目は5色に分類され、種類に関係なく毛の色によって変化します。そのため同じネザーランドドワーフでも毛の色が違えば、目の色も異なることがあります。
チョコレートやブラックの毛並みを始め多くのうさぎさんの目の色は、黒に近いブラウン。虹彩(黒点の周辺)の周りが灰色の目をブルーグレイ、少し薄いブラウンはマーブルと表現します。
周囲がブルーがかった灰色で、中心部分がくすんだ青色の目をブルーといい、ピンクは赤色の目を指します。

白いウサギの目は赤、それってなんで?

数あるウサギの中で「アルビノ」と呼ばれる個体と、「ヒマラヤン種」だけは赤い目を持ちます。
アルビノは虹彩のメラニン色素(肌や毛髪、目の色を作る色素のこと)が欠ける個体の総称で、種類は関係ありません。目が赤く見えるのは、網膜の裏側にある血管が透けるためです。
一方、ヒマラヤン種は個体に関係なく全てのウサギが赤い目を持ちます。

またネザーランドドワーフのように、白い毛でも黒い目を持つうさぎさんもいます。

目の色が突然変わったら、病気を疑おう

交通事故等の影響で人間の目の色が変化するように、ウサギも強い衝撃を受けると目の色が変わることがあります。
突然目の色が変わったのなら、原因はケガや病気によるものかもしれません。

赤い目と白い目になったら結膜炎や白内障の可能性が!

結膜炎になると白目部分が炎症を起こし、赤くなります。

角膜全体が白くなった場合は、角膜症、ブドウ膜炎、緑内障が原因と考えられます。
また、水晶体が白く濁っているのなら白内障を疑いましょう。

老化でも目の色は変わる

老うさぎになるとレンズが硬くなり、白みがかってくることがあります。この症状は水晶体核硬化症といい、目の機能に問題はないため安心してください。

しかし、白内障の症状と似ているため症状があらわれたら、自己判断はしないで動物病院へ行きましょう。

【関連記事】
獣医師監修:うさぎの目の病気

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佐俣

うさぎタイムズ編集部員、うさぎ専門ライターです。うさぎさんが、ただ「可愛らしいから」ではなく、正しく理解され、共に暮らすパートナー・家族としてお迎えしてもらえることを願っています。初心者の方にもわかりやすく情報をお伝えできればと思っています。