一般社団法人うさぎの環境エンリッチメント協会ならびにうさぎのお店ラビット・リンクは、
2023年2月に、次代を担う学生の支援と、研究成果の発表を通して、私たちと暮らすうさぎのQOLの向上につなげることを目的に、ヤマザキ動物看護大学の卒業研究のアンケート調査『ウサギに関する意識調査(期間 2023220日~2023320日)』に協力いたしました。
本日、アンケート調査に基づいた研究成果としての卒業論文をいただきましたので、許可を得て公開させていただきます。
調査結果から、ウサギにとって牧草の重要性が浸透している一方、現在では効果が疑問視されている乳酸菌サプリメントも広く浸透していることが明らかになりました。
さらに、鬱滞(うったい)や不正咬合(ふせいこうごう)への関心の高さが数字で裏付けられました。
結果として、私たちが開発したウサギの完全栄養食『コンプリート1.0』に、完璧な栄養に加えて鬱滞及び不正咬合の予防効果を併せ持たせたことは、多くの飼い主さまが抱える課題の一つへのアプローチを提示できたのではないかと考えます。
※卒業論文でフードのガイドラインについての記述がありますが、コンプリート1.0は、ウサギの栄養基準を定めているAAFCO(全米飼料検査官協会)とFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)、この2つの機関の栄養基準をクリアしています。
今後は、浸透した情報をより正確な情報に移行させるため、牧草ではなく『繊維質』など、より焦点を絞った形での情報発信が必要になってくるのではないかと考えられます。
また、現在私たちが進めている『腸内細菌叢の分析による鬱滞の予防・治療の研究』が、乳酸菌サプリメントなどの腸内細菌へのアプローチの有用性についても、何かしらの示唆を提供できるよう研究を進めたいと考えます。
下記に卒業論文を全文掲載しますので、ぜひご覧ください。
ヤマザキ動物看護大学
動物看護学部動物看護学科
動物福祉学研究室
氏名:太田 ひろみ
指導教員:牛根奈々獣医師・獣医学博士

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うさぎタイムズ編集部

うさぎタイムズ編集部です。 編集長:橋爪宏幸 執筆・監修:入交眞巳、斉藤将之、川﨑浄教、橋爪宏幸ほか