ダニの種類と症状

うさぎに寄生するダニには、ウサギキュウセンヒゼンダニ、ウサギズツキダニ、ウサギツメダニ、マダニがあります。

  • ウサギキュウセンヒゼンダニ

耳に寄生するダニで、耳ダニとも呼ばれます。

耳をかゆがり、頭を何度も振ったり、後ろ足で耳を激しく掻くようになります。

炎症を起こし充血したり、耳の中に厚いかさぶたができる、耳から黒っぽい分泌物が出るなどの症状が出ます。

進行すると細菌感染を起こし外耳炎や中耳炎、斜頸などを発症することもあります。

ミミダニの症例写真
写真提供:斉藤動物病院 院長 斉藤将之先生

 

  • ウサギズツキダニ

被毛に寄生するダニで、被毛ダニとも呼ばれます。

寄生していても無症状のことが多く、ブラッシングの際などに毛をかき分けたときダニを発見(コショウをかけたように見える)して気が付くことが多いようです。

大量に寄生すると違和感から自分で毛を咬む自咬が見られることもあります。

 

  • ウサギツメダニ

ウサギズツキダニと同じく被毛に寄生するダニです。

頭から背中、腰、お尻のあたりにかけて寄生します。

かゆがって体を掻くようになったり、白っぽいフケが出る、毛が抜ける、皮膚が赤っぽくなる、かさぶたができるなどの症状が出ます。無症状のこともあります。

人間にも寄生し、かゆみなどの症状が出ることもあります。

ツメダニの症例(鱗屑)写真
写真提供:斉藤動物病院 院長 斉藤将之先生

 

  • マダニ

野外に生息しているダニで、全身に寄生します。

皮膚炎や、吸血による貧血などの症状が出ます。

 

ダニの治療

駆虫剤を投与して治療します。炎症を起こしている場合などは抗生物質なども併せて投与します。

犬や猫用の駆虫剤が市販されていますが、うさぎに使用してはいけない薬剤もありますので、自己判断せず動物病院で治療してもらうようにしましょう。

また、複数飼いをしている場合は症状が現れていなくても同居うさぎも一緒に治療するようにします。

駆虫剤は成虫を駆除しますが、卵が残っている場合もあるのでダニのライフサイクルに合わせて繰り返し投与することが必要になります。

ダニの予防

不衛生な環境は寄生虫が発生しやすくなります。飼育環境を清潔に保つことを心がけましょう。

こまめにブラッシングをしたり、耳の中が汚れていないかチェックするなど、体を清潔に保つことも大切です。

ダニが寄生しているほかのうさぎからうつされることがあるので、不要の接触は避けて。

また野外に連れ出した後は、ダニが寄生していないか確認するようにしましょう。


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齊藤万里子

うさぎの専門雑誌『うさぎと暮らす』元編集長。 『うちのうさぎのキモチがわかる本』元編集部員。 現在はフリーでペット関連書籍・雑誌の執筆・編集を行う。