うさぎさんの健康を考えたときに、

「飲み水はどうしたらいいのだろう?」と悩みますよね。

私もうさぎさんの飲み水についてよく質問を受けます。

「水道水でいいの?」

「ミネラルウォーターがいいの?」

そもそも

「水を飲ませたらいけないと書いてあったんだけど」

などなど。

結論からお話しすると、

『水は飲ませてあげてください。』

そして

『水道水でも大丈夫です。』

水を飲ませてはいけないというのは間違いです。

昔の飼育方法が、キャベツや人参などの生野菜を与えていたため、うさぎさんはその生のお野菜から水分を補給していました。このためあまり水を飲まない子が多かったようです。
そのような飼育環境でお水を飲む子の場合は、下痢をしてしまい、そのまま命を落としてしまうケースもあり、「飲み水を与えてはいけない。」という情報が広まったようです。

その頃と今とでは飼育環境がすっかり変わってしましましたので、今はいつでも新鮮なお水が飲めるようにしてあげてください。

水道水で本当に大丈夫?

「えっ、水道水は塩素が入っているからうさぎにはダメなんじゃない?」

とご心配される方もたくさんいらっしゃいます。

そういった方は、水道水に浄水器を付けていただくと、塩素を除去することができますので、是非お使いください。

ここで誤解いただきたくないのは、

「水道水でも大丈夫」=「塩素が入っていても大丈夫」

ということではありませんのでご注意ください。

 

私の地域の水道水の塩素の濃度は、0.6 mg/L 以下 です。

WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインでは、塩素のガイドライン値は5mg/Lとされています。

このガイドライン値は、人が生涯にわたり水を飲んでも健康に影響が生じない濃度を表しています。

日本の水道水はどうでしょうか?

例えば、東京都(港区青山)の水道水の塩素濃度は0.6 mg/L 以下 です。

埼玉県とさいたま市でも同じく0.6 mg/L 以下 です。

お住まいの水道水の塩素濃度を調べてみると良いと思いますが、概ね日本の水道水の水質は、WHOの飲料水水質ガイドラインよりはるかに厳しい数字をクリアしていることが分かります。

「人は大丈夫でも人より小さな体のうさぎさんは大丈夫?」

というご心配ももっともですが、私のお店のうさぎさんたちはもちろん、お家のうさぎさんたちは埼玉の水道水を毎日飲んでいますがみんな元気です。

微量の塩素をご心配いただくことより、毎日新鮮なお水に変えていただくことの方が大切です。

また、うさぎさんはオーナー様の心の揺らぎを敏感に感じ取るところがあります。

是非オーナー様には、大らかな気持ちで接していただければとも思います。

ミネラルウォーターは与えてもよい?

ミネラルウォーターについては、人間用に成分調整していたりしますので、内容成分にもよりますが基本的には与えない方が賢明です。

硬水はカルシウム分が多いので尿路結成の原因になるというのは本当なの?

よく硬水はカルシウムなどミネラルが豊富なので、うさぎさんには尿路結石の原因になるので与えない方が良いと言われます。

私もそのようにお話ししております。

しかし、私のお家にいる子はもちろん、お店の子たちも、皆さんがお家で一緒に暮らしているうさぎさんも、みんな生物学上はアナウサギになります。

ご存知の方も多いかと思いますが、アナウサギはヨーロッパを起源としています。

ヨーロッパと言えば硬水ですよね。

ヨーロッパにいたアナウサギさんたちは、硬水を飲んで尿路結石にならなかったのでしょうか?

私自身ずっと不思議に思いながら、自然界にいたアナウサギは硬水である湧き水を飲むより、雨水や、食物から水分を摂取していたのかも知れない。と仮説を立てたりしていました。

しかし最近の人の研究で、「硬水を飲んでも尿路結石にはならない。」ということが分かってきました。

カルシウムの多く含む硬水を飲むと、尿中にカルシウムは多く排泄されますが、同時に腸管で尿路結石の元となるしゅう酸の吸収を妨げるため、しゅう酸の濃度が減少し、逆に結石は形成されにくくなるということです。

そう考えると、ヨーロッパで暮らしていたアナウサギさんたちが尿路結石で苦しまなかったことの理由が見えてきます。

ただ、うさぎさんは元々カルシウムの代謝が早く、尿中にカルシウム分を多く含んでいて、尿路結石になりやすいのは確かですし、まだまだ分からないことの方が多いうさぎさんのことなので、やはり軟水を与えていただくのが、今は賢明だと言えます。

因みに日本の水道水は一般に軟水です。ただ、その硬度は地域によって異なりますので、気になる方はお住まいの水道局に確認してみると良いかも知れませんね。

まとめ

水道水は、経済的にも利便性の面でも、うさぎさんにとってもとても優れた飲料水です。

塩素も気にするほどの含有量ではありません。

どうしても塩素が気になるという方は、浄水器を使って与えていただく方法もあります。

大切なうさぎさんのことを思うと、とても心配になると思います。

しかし、常に新鮮なお水をあげていただくことが、お水をちゃんと飲めているかを確認することもできて、とても大切だと言えます。

あまり神経質にならず、大らかな気持ちでうさぎさんとお暮しいただくのが、飼い主様にもうさぎさんにも幸せなことだと思います。

皆さまのうさぎさんとの暮らしに、この記事が少しでもご参考になれば幸いです。


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橋爪宏幸

橋爪宏幸

うさぎタイムズ編集長。 うさぎ専門店「ラビット・リンク」のオーナー。 一般社団法人うさぎの環境エンリッチメント協会 専務理事。 現在ニンゲン3人のほか、長男:ミニチュアダックスの桜花、次男ホーランドロップのカール、三男:ネザーランドドワーフの政宗、長女:ホーランドロップのミラ・ジョボビッチと暮らしている。