フェレットくんと暮らす飼い主のみなさん、こんにちは。
フェレット情報局は、フェレットの生態・お世話の仕方について、専門店『フェレットリンク』のスタッフが発信するメディアです。

今回のテーマは、フェレットくんの体のお手入れ方法。必須ケアである歯磨き・爪切り・耳掃除の3つを取り上げます。人間でもおなじみのものばかりですが、フェレットの場合はもちろん、私たちと同じにはいきません。安全でストレスなく行うためのヒントをご紹介しましょう。

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フェレットの爪切り

ケアの時に役立つテクニック「保定」を知ろう

安全に行うために大切なのは、フェレットが動かないようしっかり支えること。これを「保定」といい、抱っことは異なるテクニックです。

必ずしもすべてのケア時に保定をするわけではありませんが、保定のやり方をマスターしておくと、全身のチェックをする時にも役立ちます。お迎え後、体に触っても怖がる様子を見せなくなったら早い段階で保定の方法を覚えましょう。

フェレットの保定方法

(1)フェレットの首筋を親指と人差し指でつかみます。
フェレットの首の後ろ、頭のすぐ下にある皮の余っている部分です。皮膚がピンと張るほど強く引っ張りすぎないでください。

(2)フェレットの両足の下に手を入れ、体重を支えます。

(3)フェレットを持ち上げます。
宙吊り状態で持ち上げると腰に負担がかかるので、足も支えてください。

なお保定の際に、万が一、誤って落下させてしまうことがないとも限りません。飼い主さんは座るなどして低い位置で保定した方が安心です。
保定されるフェレット
首根っこを掴まれてだらりと無抵抗なフェレットくんを見ると、「こんな持ち方をされて痛くないの?」と思うかもしれませんが、これは母親が子どもたちを運ぶ時と同じ方法ですから大丈夫です。

保定されるとフェレットは安心する

適切に保定されたフェレットはお母さんにくわえられている感覚を思い出すのか、リラックスした様子を見せます。首の後ろの皮膚を軽く引っ張られるだけでほとんどの子はおとなしくなり、保定の最中にあくびを連発する子も。

この「保定」は、動物病院で検査や処置の際にも使われる方法です。
イヌやネコとの違いで面白いのは、フェレットは体を縦にした状態の方が落ち着く傾向があること。診察台の上で体を水平にされると苦痛を感じる子が多く、体を縦にした方が処置に耐えられることが多いというのです。
保定されると体はまさに縦向きになりますから、フェレットは安心できるんですね。

ではこの保定の方法をふまえて、まずはフェレットの歯磨きから解説していきましょう。

【フェレットの歯磨き】歯周病の予防には毎日のケアが肝心

フェレットに歯磨きが必要なのは、歯周病を防ぐため。フェレットは少量ずつ1日に何度も食事を取ります。そのため、常に歯垢がついた状態となり歯周病を起こしやすいのです。
フェレットの口元・歯を拡大
歯周病が進行し、治療が必要なレベルになってしまうと一大事。全身麻酔での処置になるため、リスクが伴います。こまめな歯磨きで口内の健康を維持することが大切です。

人間のように食事の時間と回数が決まっているわけではありませんから、歯磨きは飼い主さんがやりやすいタイミングで行いましょう。理想的には毎日でも行いたいところですが、2〜3日に1回でも、やらないよりはずっとマシです。実践可能な範囲で定期的に磨いてあげてください。

フェレットの歯磨きのやり方

猫用の歯ブラシや人間用の柔らかい歯ブラシが使用できます。また、噛まれないように注意が必要ですが、ガーゼを指に巻いて歯の表面をこする方法もあります。ガーゼでフェレットの歯を磨く
歯磨き粉を使用する場合は、猫用のものにしましょう。人間用はフェレットに有害な成分が含まれることもあるので適しません。

歯磨きを嫌がる時はどうしたらいい?

歯磨きが初めての場合、徐々に慣らしてあげてください。フェレットの頬と口を指で優しくマッサージすることから始め、数日かけて歯と歯茎を指でこするところまで試してみます。ここまでやってみてフェレットが我慢してくれそうなら、歯磨き粉を少量、「味見」させてみせ、歯ブラシを使った歯磨きにトライしてみましょう。

時間がかかるかもしれませんが辛抱強く待ってあげることが大切です。フェレットにとっても完全に新しい経験ですから「うまくいかなくて当たり前」という気持ちで臨んでください。

歯磨きを嫌がるフェレットは多く、しっかり歯磨きできるケースは正直、まれです。磨きやすい前歯だけでもOKということにして奥歯は諦める、など柔軟に考えましょう。

おすすめは、小さい頃から歯磨きを習慣化することです。生後2〜3ヶ月で永久歯に生え変わるので、その頃をきっかけに、早めに歯磨きを経験させてください。

歯磨き以外で歯の汚れを取る方法も検討して

柔らかいフードではなく硬さのあるドライフードを積極的に与えることで歯垢が付きにくくなると考えられています。
また、イヌやネコ用に、かじることで歯垢を除去できるおやつが販売されていますが、フェレットに適した高タンパク・高脂肪・低炭水化物のものであれば与えても良いでしょう。

続いて、爪切りの方法をご紹介します。

【フェレットの爪切り】爪切りが必要な理由

伸びすぎた爪を放置すると、布製品やケージに引っかかってフェレットがケガをしたり、スキンシップの際に飼い主さんを傷つけたりする原因になります。野生では掘ったり駆け回ったりするので自然と爪が削れますが、飼育下では定期的な爪切りが必要です。

爪切りの頻度は個体差あり 2〜4週間に1度を目安に

爪が伸びる速度は個体差があり、同じ子でも、与えるエサによって伸びる速度が異なるという報告もあります。週に1度はチェックし、必要に応じて2〜4週間に1度は爪切りをしてあげてください。

フェレットの爪切りのやり方

道具は猫用の爪切りがおすすめです。犬用は大きすぎるので避けましょう。

根元のピンク色の部分から3mm程度は切らないで残す

フェレットの爪は根本がピンク色になっており、ここに血管が通っています。ピンク色の部分を切ると出血しますし、ピンク色に近い部分を切るとフェレットも不快に感じて暴れるので、ピンク色から3mm程度は切らずに残してください。
フェレットの爪
誤って切ってしまい出血した場合は、止血用パウダーをつけてから、ティッシュやタオルで圧迫してください。止血用パウダーが無い場合は、小麦粉で代用することができます。15分しても血が止まらないなら獣医師に見せましょう。

おすすめのやり方3種類

刃物を使うので爪切りは緊張する、という方も多いのではないでしょうか。基本のやり方を3パターンご紹介します。

①1人バージョンその1:片手で保定して爪を切る
片手でフェレットを保定し、もう片方の手で爪を切っていきます。じっとしていてもらうために、フェレットの口の周りにバイトを一滴垂らすのも手です。夢中で舐めているすきに素早くカットしましょう。

また、手で保定する代わりに、フェレットの首の後ろをクリップで挟んで大人しくさせる方法があります。飼い主さんの両手がフリーになるので、爪切りがしやすくなります。強く挟みすぎると苦痛ですので、クリップの硬さは事前に確認してくださいね。
抱き抱えられて爪を切られるフェレット
②1人バージョンその2:仰向けにして爪を切る
フェレットを仰向けにして膝の上に寝かせ、フェレットのお腹にバイトを数滴たらします。フェレットがおやつを舐めている間に爪を切りましょう。
仰向けになって爪を切られるフェレット
③2人バージョン:保定役とカット役で協力する
1人がフェレットを保定し、もう一人は片手で前足を持ち爪を切ります。
初心者さんの場合は、可能なら2人で行えるとより安全です。
保定されて爪を切られるフェレット
飼い主さんとフェレットによって、ベストな方法は異なります。これらのやり方を参考にしつつ、できるだけストレスのない方法で爪切りをしてあげてくださいね。

【フェレットの耳掃除】放置は厳禁!必ず定期的なお手入れを

新陳代謝がよく、耳垢が溜まりやすいのがフェレットの特徴です。放置しているとニオイの原因になるだけでなく、耳ダニや外耳炎などにつながることもあるので、耳掃除は必須と考えてください。
耳垢の溜まるペースにも個体差があるので一概には言えませんが、目安として約2週間に1度は耳掃除をしてあげましょう。

耳掃除のやり方

以下のものを使用します。

・イヤーローションやイヤークリーナーなど耳の中を潤せるもの
・綿棒

始めに、イヤーローションやクリーナーのボトルをお湯に浸けて、フェレットの体温と同じくらいまで温めておきます。こうすると、比較的驚かさずに耳の中に液体を垂らすことができます。イヤーローションを垂らされるフェレット
次に、フェレットを保定して、適温になった液体を耳に数滴を優しく垂らし、耳の後ろの部分をマッサージします。ここまでやると、フェレットが頭をブルブルと振ってくれます。すると耳垢が浮き上がるので、綿棒の先1/3ぐらい(約5mm)を入れて、優しく掃除します。

綿棒を耳の奥深くまで入れないように注意してください。耳垢を奥に押し込み詰まらせてしまったり、鼓膜を傷つけてしまったりするおそれがあります。耳掃除をされるフェレット

耳垢の様子がおかしければ受診を

不快なニオイの真っ黒な耳垢が大量に出る場合は、耳ダニがいる可能性があります。耳垢の色や量にも個体差があるので一概には言えませんが、「耳垢の状態がいつもと違うな」と感じたら受診をおすすめします。

適切なケアで健康・快適に過ごそう

人間と同じく、フェレットにもそれぞれ個性がありますから「こうすれば必ずうまくいく」という方法はありません。柔軟な対応が大切です。
例えば、爪切りは何度かに分けて行う、耳掃除を「今日は右だけ、明日は左」と片側ずつやるのもいいですね。お互いの負担を減らせるよう工夫してください。

うまくできない時や、ケガをさせてしまいそうで怖くてできない時は無理せず、フェレットへの対応をしてくれる専門ペットショップや、獣医師さんにお願いするのも手段です。

普段の遊びを通じてフェレットとの信頼関係を築き、必要なケアに協力してもらえるようなスキンシップの習慣が作れるといいですね。


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橋爪宏幸

フェレット情報局局長。 フェレット専門店フェレット・リンクのオーナー。 まだまだ分からないことが多いフェレットの世界。フェレットとの暮らしに少しでもプラスになるように、世界中からフェレットの情報を集めて発信していきます。